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感情が行動を変える

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君の生涯のもっとも輝かしい日は、いわゆる勝利の日ではなく、絶望の中から、人生の挑戦の気持ちと、今に見ろ、やってやるぞという気持ちがわきあがるのを感じる日である。    フローベル(1821~1880)

この言葉が意味するのは、絶望の状況でさまよった結果、

「もういやだ」
「もうこれで十分」
「こんな状況から絶対抜け出してやる」

といった自分自身への嫌悪感と怒りに似た感情がこみ上げてきた、ということなのです。もちろんすぐにここまではたどり着けません。絶望に心が慣れ、免疫がついてきたところで、行動をおこす前向きの感情が生じてきた、ということです。人間は感情が変わることによってはじめて行動を起こします

成功している人は必ずと言っていいほど大失敗の経験があり、その失敗の恐怖感を感じなくなったときからうまくいった、という意味のことを言うものですが、失敗が感情を変え、感情が行動を生んだからだと考えられます。もちろんその間、大きな精神的葛藤を経験したに違いありません。

カウンセリングは言ってみれば、感情を変えるためのきっかけ作りです。たとえば話をしていくうちに、

「震災で家族を失った人に比べたら自分の状況は恵まれているな」
「こんな愚痴や泣き言ばかり言っていてはダメだな」

と本人が思ったとしたら、それは考え方が変わった結果、感情も変わったからです。カウンセラーが誠実に真剣に話を聴いてくれればくれるほど、そういう気持ちになりやすいものです。

コーチングはもっと積極的に質問によって思考の焦点を変え、感情を変えることを狙っています。たとえば、「できない」「無理だ」という否定的な信念は必ず悲観的な感情と結びついています。そのため、否定的な感情を相手から感じた場合、

「それができない理由は何ですか」
「無理だというのはほんとうに真実ですか」

といった質問は間違いなく相手にヒットします。本人は真摯にその質問に向き合います。相手の固定観念をつぶすには、信頼関係のある人物から質問をしてもらうのが一番なのです。その結果、相手が持っているできないという信念、およびそれに付随する悲観的な感情が、

「できるかもしれない」
「いやできそうだ」
「いやできるはずだ」

という自信と希望に満ちた楽観的な感情に更新されていくのです。その感情が行動を引き起こして、結果を出す、というわけです。
by bfath602 | 2011-08-08 14:48

こころのいろいろ


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